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耐震設計・耐震改修に頼り過ぎていませんか? (2006. 7. 1)

1981年新耐震設計法が施行されました。これは1923年関東地震の際の東京における地表面加速度相当の400galを対象に、人命の保護を目的としたものです。
一般的に耐震設計の性能目標は、@人命の保護 A財産の保全 B機能の維持の3段階に分けられます。

1995年の兵庫県南部地震において旧耐震設計法による建物が圧壊・倒壊する中、新耐震設計法による建物は圧壊・倒壊を免れ人命の保護を立証しました。しかしながら耐震設計法による建物も耐震壁や雑壁のせん断破壊を免れず、財産を毀損させる例が多く見られました。

耐震改修促進法は1981年以前の既存不適格建物を新耐震設計法並みに改修するものですが、新耐震設計法を上回るものではなく、人命の保護を目的とするもので財産の保全・機能の維持は担保されません。

1981年以前の既存不適格建物には免震改修が有用です。上部構造を触らないので、居ながら改修が可能ですし、新耐震設計法のレベルを一気に超えて財産の保全・機能の維持まで担保します。

免震改修は1981年以前の既存不適格建物のみならず、1981年以後の新耐震設計法による既存建物にも有用で、バリューアップと安心・安全をお約束します。
また、既存超高層建物には、制震改修による揺れの制御をお奨めします。


中古マンションの再生について (2006. 6. 1)

中古マンションの耐用年数、耐震改修による剛性増大、上部構造部材の性能劣化、改修期間の機能支障などを考え合わせると積極的に免震改修を提案するべきであると思います。

マンションの場合は、機能性と経済性から多くは地下のない建物であり、このことが基礎・地盤廻りの工事施行をし易くしています。また、マンションは子供・高齢者を中心に常時居住者の一部が滞在している可能性が高く、一般的な成人にとっても滞在期間の長いものです。このようなマンションの耐震改修には「居ながら施工」を可能とする免震構造が相応しいと考えます。

軽い建物であればFPS(フリクション・ペンドラル・システム/球面すべり機構)が経済的ですし、積層ゴムについてはハードニングや45度方向の問題があるものの高減衰ゴム・正方形(円形ではない)LRB(鉛ダンパー入り積層ゴム)が経済的です。アメリカではFPSによる大型建築物の免震改修がいくつか見られます。

せっかく耐震改修をしても現行耐震基準以上にはならず、剛性増大から地震入力の増大を招いて什器の耐震性能を損なうようでは不本意です。費用対効果(コストパフォーマンス)を高めながらコストを押さえた経済的な免震を提案したいと思います。創意工夫が必要です。

株式会社久米設計